修了生の声

S.K(2021年度入学・経済学プロジェクト)

民間シンクタンク勤務(執筆当時)

社会人の経験と経済学が融合した学びの場

私は現在、日本経済に関する調査・分析を行うエコノミストという仕事に従事しています。日々の業務で経済に触れる機会が多い反面、その動きの背後にあるメカニズムへの理解が十分でないという問題意識がありました。そこで、理論的な側面からも経済の動きへの理解を深めることを目指してMEcに応募しました。

MEcでは、1年目前期に、マクロ経済学、ミクロ経済学、計量経済学、経済数学のコースワークを中心としたコア科目を多く履修します。いずれの授業も少人数で質問をしやすいため、効率的に理解を深めることができます。後期には、自身の関心に応じた選択科目が授業の中心となります。後期の授業の進め方は、学生が最先端の論文などを読んで発表するということがメインです。学生の主体性が重要となるため、準備には多くの時間を要しますが、受け身の授業では理解したつもりになっているような部分まで細かく議論が及ぶため、論文を理解する力を飛躍的に高めることができました。また、社会人学生が多いというMEcの特徴から、理論と実際の違いなどにも議論が及ぶため、両者の橋渡しに大変役に立ちました。

少人数という特徴を最大限に生かした修論指導

2年目は修士論文の執筆がメインとなります。1年目の後期に読み込んだ文献やテキストが修士論文のベースとなることが多いように思います。私も例に違わず、1年目の後期に取り扱った論文のモデルを少し拡張する形で修士論文を執筆しました。

修士論文を執筆する過程で、MEcの特徴である少人数制のメリットをとりわけ強く感じることができました。通常の修士課程では1人の先生が何人もの学生の指導に当たるため、1人当たりに割くことのできる時間はどうしても限られてしまいます。しかし、MEcでは学生数が非常に少ないため、1人の学生に対して、主査と副査の2名の先生から非常に丁寧な指導を受けることができます。実際、私の主査をご担当頂いた先生が担当していた修士の学生は私を含めて2名のみでしたので、非常に多くの時間を指導に割いていただきました。指導方針は先生によって異なりますが、私の場合は週に1回、1.5時間程度お時間を頂き、先行研究についての議論やその拡張の方向性の相談などをさせていただき、無事に修士論文を執筆することができました。

このようにMEcの充実したカリキュラムを通じて、経済の理論的な側面への理解を大いに深めることができ、この経験はエコノミストという仕事において非常に役に立っております。今後もMEcで学んだことを活かして経済に対する理解を一段と深めていきたいと思います。

藤田 隼平(2020年度入学・経済学プロジェクト)

民間系シンクタンク勤務(執筆当時)

大学院レベルの経済学を学ぶ

現在、私はマクロ経済の調査・分析を行ういわゆる「エコノミスト」の業務に従事しています。他大学院で経済学の修士号を取得していましたが、社会人として経験を積むにつれて日本経済が直面している長期停滞や政府債務の増加といった課題に対して関心が高まり、改めて最新の経済学の知見を得るべく進学を希望しました。

MEcの経済学プロジェクトでは、1年目の前期にコースワークとして大学院レベルのミクロ経済学・マクロ経済学・計量経済学をコア科目として学ぶとともに、それらの学習に必要な経済数学や統計学の知識も基礎からしっかりと身に付けられるようなカリキュラムが用意されています。以前にアカデミックなトレーニングを受けてから時間が経っていたため、授業についていけるか不安でしたが、考え抜かれた授業内容や少人数教育による質問のしやすい環境にも支えられて、経済学の知識を無理なくブラッシュアップすることができました。また、コロナ禍の下、授業は基本的に対面ではなくオンライン形式で行われましたが、個人的には不都合を感じないばかりか、むしろ通学時間が無いことが仕事と学びの両立にはプラスに働いたと思います。

興味・関心と最新のトレンドを踏まえた研究指導

MEcにおける最終目標は修士論文の執筆です。1年目の後期に行われる経済学特別演習のうち、私はマクロ経済学と計量経済学の2つの演習に参加し、 コースワークから一歩進んだ内容の学びや、 興味・関心のある分野の先行研究のサーベイ・レビュー等を通じて、 修士論文執筆の基礎となる能力を身に付けることができました。また、2年目の本格的な修士論文の研究指導では、主査・副査の先生方から丁寧かつ熱心なご指導をいただき、慣れない統計ソフトの利用に苦戦しながらも、最終的には修士論文を形にすることができました。改善点の多い内容ではありましたが、興味・関心のあるテーマについて最新の知見をもとにした分析ができたのは、間違いなくMEcだからだと思います。今後は、学んだことを普段の業務に生かすとともに、博士課程への進学を視野に修士論文で行った分析の発展・拡充にも取り組んでいきたいと考えています。