在学生の声

間橋 大地

(業界団体勤務)

――入学の動機を教えてください。

私が経済学を学ぶ理由として、①理論・思想・枠組みといった知識面、および②研究方法・思考法といった手法、の2点を体系的に理解・取得したいと考えました。経済学は、社会を分析し、社会を自分の言葉で語れるようになるための学問であると理解しています。現在の職務では企業間での利害調整や国内外政府に対する政策提言のとりまとめが必要とされており、必要に応じて交渉による問題解決を求められることもあります。経済学の知識や手法の体系的な学習を通じて、社会を客観的に分析する力と自らの言葉で説明できる力を養い、日々の職務に活用できるようになりたいと考えました。

――入学して思うことをお聞かせください。

入学前、経済史プロジェクトの専攻を通じて、①経済学と経済史を体系的に学び、②論文執筆を通して自らの研究テーマ(経済思想史およびアメリカ経済史)を深めたいと考えておりました。入学後、まずミクロ経済学・マクロ経済学・経済数学等の入門・基礎科目を徹底的に勉強しつつ、並行して経済史概論・経済史演習・日本経済史といった経済史の科目を受講しました。経済史の授業では事前に指定された文献を読むことから始まり、授業中に疑問や理解ができない箇所を確認しつつ、先生や学生とディスカッションしながら文献に対する理解を深めることができました。また、史料収集方法や論文執筆方法に加えて、これまで知らなかった先行研究や論文にも多数触れることができました。こうした授業と研究活動を通して、自らの視野を広げると共に、経済史の奥深さと面白さを感じることができました。

――これから入学を検討している方へメッセージをお願いします。

「経済史は役に立たない」という評判がありますが、決してそんなことはありません。現代では当たり前と考えられていることが、なぜ当たり前となったのか?どのような歴史的背景があるのか?を改めて研究することに意義があると思います。例えば、外国と自由に貿易することは現代の日本では当たり前と考えられている一方で、海外では必ずしもその考えが通用するとは限りません。私は自由貿易が是とされた歴史的背景や理論・思想に関する理解を深め、紆余曲折しながらも自由貿易政策を推進した歴史的事実の研究を通じて、現代の通商政策や貿易摩擦等の課題を研究する一助となると考えます。当たり前と考えられている経済事象や理論、政策の歴史に興味・関心がある方は、ぜひ経済史プロジェクトを受験することをお勧めします!