経済経営学部について

学部長挨拶

経済学と経営学の複眼思考で
地球社会のメカニズムを探求する

学部長長瀬 勝彦

本学部は国公立大学としては唯一の「経済経営学部」という名称を冠しています。そこには学生に経済学と経営学を幅広く学んでほしいという願いが込められています。過去数千年の間に人間の文明は飛躍的な発展を遂げました。その要因はいろいろ考えられますが、社会科学的見地からは「市場」と「組織」を発明し発達させたことがその鍵であると言えるでしょう。ロビンソン・クルーソーのように独りぼっちで暮らしていたら食べるだけで精一杯で文明的な生活は望めません。しかし他の人と協力や取引ができれば作業効率は格段に向上します。自動車工場が毎日数多くの自動車を生産できるのは人間が組織を作って分業と協業を進めているからです。また、コンビニの棚に商品がひしめきインターネット通販で世界中から買物ができるのは市場が発達し整備されて自由な取引が可能になっているからです。市場は経済学の、組織は経営学の主たる研究対象です。研究手法においては経済学と経営学は共通点もありますが異なる点も多々あります。競争と協力は人間関係の基本的な枠組みですが、経済学的なアプローチと経営学的なアプローチを両方身につけることで複眼的な理解ができます。現代の地球社会の複雑なメカニズムを探求するときにも複眼思考が効果を発揮します。

本学部は経済学と経営学の専門科目を幅広く揃えており、また履修モデルも提供していますので、学生は自分の興味に従ってバランスよく効率的に学ぶことができます。2年次への進級時に経済学コースと経営学コースのいずれかを選択します。2年次の後期には2年次専門セミナーが配置されていて、専門分野の基礎力を養成します。3年次には演習(ゼミ)が始まります。演習は少人数制で担当専任教員の親身の指導により専門的な研究に深く分け入ります。その過程ではさまざまな厳しさと難しさに直面することでしょう。研究には手抜きやごまかしは通じません。真理への道はたゆまぬ努力によってしか歩むことができないのです。一方でその道を歩むことは充実感と喜びをもたらしてくれます。そして4年次には多くの学生が研究成果をとりまとめた卒業論文を執筆します。また演習は単なる研究の場を超えて教員や他の学生との豊かな交流があり、そこからも人生の糧を得ることができます。なお、日本の大学では社会科学系の学部はあまり勉強がきつくないと思われがちですが、本学部はGPA(成績評価点平均)による年次修了判定制度を採用しており、専門科目のGPAが基準値に満たないと進級できません。4年間持続的に勉学に励んでもらいます。

イギリスの桂冠詩人のジョン・メイスフィールドは「この世で大学ほど美しいものはめったにない。大学は無知を嫌う者が知識を得ようと努力し、真理に到達した者が他者に理解させようと努力する場所なのだ」と述べています。真理に国境はありません。最古の大学のひとつであるイタリアのボローニャ大学は、ヨーロッパ各地から集まった学生が権力の介入をはねのけるために団結したのが始まりでした。大学は本質的に学問の自由を求める国際的な存在です。本学は海外の提携大学等への留学制度が整備されており、一部に英語による専門科目の授業も導入しています。学生の皆さんにはぜひ世界的な視野を培っていただきたいと思います。

近年の日本経済や日本企業の経営は必ずしも順調ではありません。地球社会も環境問題や紛争など多くの問題を抱えています。本学部の卒業生が様々な分野に進んで問題解決に取り組み、平和で豊かで持続可能な世界の構築のために大いに活躍することを期待しています。

経済経営学部のコンセプト

経済のグローバル化や情報の高度化、人口構造・生活様式の変化など、今日の経済活動は様々な要因によりその姿を変えつつあります。社会が秩序を保ちながら大きく進化・発展していくためには、様々な人々、機関、国家の諸活動を適切に調整することが重要です。その際、2つの鍵となる調整メカニズムが重要な役割を果たします。ひとつは、自由な意志を持った個人の諸行動を価格の変動を通じて自動的に調整する「市場のメカニズム」です。もうひとつは、経営者が政策目標を設定し、計画を立案し、それに基づいて世の中の様々な利害関係や行動を調整する「組織のメカニズム」です。前者を中心に社会を考察していくのが広い意味での経済学であり、後者が経営学であるといえます。これらは、現実により良い社会や組織を構想し実現するための両輪であり、社会や組織の中で起こりうる様々な問題を解決するための「政策科学」なのです。

経済経営学部では、経済学と経営学の体系的なカリキュラムの提供を通して、教養教育と専門性の高い先進教育を展開します。そして、社会や組織のリーダーとして、市場と組織という2つの調整メカニズムを通じて、社会全体を望ましい姿に導いていくための政策立案能力と問題解決能力の涵養をめざします。

経済経営学部の特色

ポイント1 2年次進級時にコースを選択

1年次に広く経済学と経営学の導入科目を学び、2年次進級時に学生の問題意識や関心にあわせ、経済学コースか経営学コースを選択します。いずれのコースにおいても経済学と経営学をともに学ぶことができ、自由な科目の履修が可能です。

ポイント2 優秀な研究者による少人数教育と徹底した専門教育を実現

2年次には、大教室における講義ばかりではなく、少人数のための専門的な講義・ゼミナールを目指した「2年次専門セミナー」が開講されます。
3年次には、ほとんどの学生が少人数制のゼミナールに参加します。各分野の第一線の研究者である指導教員のもとで研究テーマにそって専門の知見を深め、4年次に卒業論文としてまとめていきます。

ポイント3 大学院と連携した実践教育

大学院では、経営学・経済学・ファイナンスの各分野で高度な課題処理能力を身につけた研究者および専門家を育成します。学部および大学院の専任教員として、経営学・経済学の学界を国際的にリードする研究者や、日本を代表する企業の重要ポストや国の中枢を担う政策決定機関からの人材など、それぞれの分野の第一線の研究者を擁しています。