修了生の声

木川 大輔(高度専門職業人養成プログラム(MBA)・2011年度入学)

ライフサイエンス系企業 マネージャー(執筆当時)

入学前に求めていたモノは「引出しの中の道具」

ビジネススクールで学ぼうとしたきっかけは今でも鮮明に覚えています。当時、事業会社の経営企画部門に所属していた私は、外部環境の変化によりコモディティ化に苦しむ事業を立て直すというミッションを持っていました。その時に、有名な「イノベーションのジレンマ」と出会い、「企業が直面している問題に対して、このようにエレガントに説明する事ができるものなのか」と感銘を受け、ビジネススクールへの進学を決めました。

とはいえ、正直なところ、当時の私がビジネススクールに求めていたものは、「経営戦略への処方箋」であり、「色々な理論やフレームワークを学んで、それを仕事に活かせたら良いな」程度の考えでした。ところが、1年生前期の初回の授業の事前課題で、「ポーターの5フォースの限界を述べよ」という課題が出され、面食らったのをよく覚えています。

実際に得られたモノは「もっと本質的な思考力・洞察力」

今になってつくづく思うことは、首都大学東京ビジネススクールが目指している教育は、入学前の私が求めていたような「インスタントな知識」を提供する場では無かったということですね。フレームワークや理論は、世界中の研究者が、日々それらを発展・拡張させるべく凌ぎを削っており、いつかは陳腐化してしまいます。仮に陳腐化しなくても、ビジネススクールの2年間で学んだことは、恐らくいつかは忘れてしまうことでしょう。他方、ケーススタディや論文執筆を通じて、とことん考えぬいた思考プロセスは、不思議と身体に染み付いているものです。そして、その過程を通じて身についた洞察力は、極めて汎用性の高いスキルとして、ビジネスの場でも必ずや活きることでしょう。首都大東京ビジネススクールはそういったプロセスを重視する点に特色があると思います。

事実、修士論文執筆後には、ビジネスの場における景色が、それまでと明らかに違って見えるようになりました。修士号を取得した後もそのプロセスを続けるべく、博士課程に進学し、勤務を続けながら学会誌へ投稿する論文執筆などに週末を費やしています。

竹本 由里佳(高度専門職業人養成プログラム(MBA)・2003年度入学)

NTT都市開発株式会社 課長(執筆当時)

第一期生としての貴重な経験

新宿の都庁で都立大学のビジネススクールが開設されるというニュースは都の広報誌で知りました。当時、小学生の子供がいて、仕事もかなり忙しい時期でしたが、今の生活を何か考え直したいというのが応募動機でした。ターミナル駅に近い都庁がキャンパスで生活と両立がしやすいというのも後押ししました。

入学してみて自分でも驚いたのは、社会人を経験する前と後での、勉強に対するモチベーションの違いでした。特にマネジメントについては社会経験の生の声は良い教材となります。一期生は本当に個性的な方が多く、年齢・職業・ポジションもバリエーションに富み、ディスカッションが楽しかったですね。理系の方が多くいらしたのも特徴的です。特にテクノロジーマネジメントの分科会では、技術系、研究系の方が多く、理論上の経営学でなく、技術革新を作り上げ、又は失敗したケースが生の声として交わされました。社会人学生の勉強は自分の実体験に基づくので、心から興味がもて、能動的になれるので楽しいのです。

強固な人的ネットワークの構築

ビジネススクールで得られた一番の成果は、異業種、異世代の人脈です。同窓会も充実しており、全体会は年に一回、大きな会場で開催されますが、SNSを通じて日常の情報も交換されています。ゼミ単位や同期の集まりもあります。

何と言っても強固なのが、女子同窓会です。先日も開催されましたが、自分たちで企画して、お茶を飲みながらの勉強会の後、美味しいお食事をいただきました。同窓生だからこそ、本音で言い合い、分かり合えます。日常のストレスを発散させる場であり、自分を高める場であり、仕事の進め方のヒントを得られる場でもあります。働く女性は悩みも多いので、こういうネットワークは本当に心の支えになります。来たれ女性達!

昌子 久美子(高度専門職業人養成プログラム(MBA)・2006年度入学)

(株)ベネッセコーポレーション エリアベネッセ部 エリア店舗開発推進課 グループリーダー(執筆当時)

「実践的な知識」は、仕事力向上の源泉に

MBA を目指したきっかけは、社内異動でした。社会人8 年目で初めて営業畑に移ることとなり、自分なりの強みを身につけたかったからです。

在学中は、マーケティングを中心に学びました。アカデミックな教養を習得する講義と、実際の企業をケースに戦略を考えるゼミとがバランスよく、自分の業務と関連づけて考えるトレーニングになりました。

入学前は、「営業」「編集」などと、自分が所属する組織の中の業務範囲でとらえ、未経験の業務に少し抵抗がありました。しかし、ビジネススクールで学んでからは、全体戦略の中にマーケティング戦略、商品戦略などがあること、その組織に合った戦略があることなどを俯瞰で考えられるようになり、どのような業務でも知識を応用したアプローチができるようになりました。特に、現代のマーケティングは大変早いスピードで進化しており、自社で求められる新規マーケティングの開発の実現において、ビジネススクールで学んだ論理的な課題解決力が大いに役立ちました。

刺激し合える仲間と継続的に自己成長を

私が所属したゼミは修了後も定期的に勉強会があり、皆さんからいい刺激を受けています。毎年、各自が発表テーマを考えるので、自分の仕事をアカデミックに掘り下げたり、世の中へのアンテナも自然と高くなったりと、ビジネススクールでの学びが生き続けていると思います。

改めてビジネススクールで得たものを振りかえると、1つ目は「ビジネス全般の知識」、2つ目は「広く深く物事を見て論理的に課題を解決する力」、3つ目は「お互いに刺激し合い、信頼できる一生の仲間ができたこと」だと思っています。