経済学プログラム(MEc)
プログラムディレクターメッセージ
Back to Schoolは多くの場合「新学期」を意味しますが、Back to school to get a degree は、大学卒業後に社会人として職に就いているものの新たな目標のために大学院を受験し入学する状況を指します。学部で学んだ経済学の知識では職場で求められるマクロな経済分析や消費者の行動分析には立ち行かず、深く体系的に経済学を学び研究者としての基礎知識や考え方・ツールの習得の必要性を感じている社会人は少なくありません。そのような専門性を求める人の声に応えるべく、東京都立大学経営学研究科では、博士前期課程(修士課程)に経済学プログラム(MEc)を2018年に開設しました。都心・丸の内で平日夜間および土曜日に講義や演習を行っています。
MEcの教員は、これまで学術研究に携わり経済学や経済史に関連する分野の国際学術誌に論文を発表してきた研究者です。社会人を対象とした学びの場が東京に多く存在する中で、MEcは学術的かつ実践的な経済学の追究を使命として掲げます。具体的には、学生が経済学や経済史の学術論文を理解する力を身につけることを最大の目標として、経済モデルの作成、データの分析、経済社会の事実の検討等の演習を行い、それらを通して修士論文を作成し指導する、という機会を提供します。この過程を綿密に追及することによってのみ、学生は国際的な水準の経済学や経済史という高度な専門性が身につき深く理解できること、そして、それこそが大学院において経済学や経済史を真に身につけたい人びとに必要である、と考えております。
カリキュラムでは、修士1年前期にコア科目としてミクロ経済学・マクロ経済学・計量経済学あるいは経済史の基本を定着させ、1年後期以降に応用科目の学習や修士論文作成の演習を行う形にしています。実際にこれまで入学した学生は官公庁やシンクタンク・金融機関等に勤務する社会人のほか、大学卒業直後に進学してきた人もいます。授業で用いるテキストや演習は、世界の高度な研究を理解する上で必要だが難解ではないか、という懸念を抱いたこともありましたが、修了生たちから「勉強は大変だったが、自分たちでは到達できないレベルに到達することができ満足した」という声を聞き、私達の目標や実践に間違いはないと自信を深めています。
本プログラムは既に社会人である方だけではなく、経済学を深く学び探求してみたいと考える大学生にも門戸を開いています。将来ビジネスパーソンや経済の専門家としての活躍を望んでいる大学生にとっても、当プログラムに進学して得られる経済学の専門知識や現役の社会人とともに学んだ経験は将来の大きな糧になることでしょう。また、本格的な研究者を指向する人のために博士後期課程も設けています。
都心にあるという立地条件、高度な学術研究に携わってきたスタッフ、少人数教育による丁寧な指導、平日夜間を中心とした時間帯で働きながら学位を取得できるよう環境を整備しながら研究指導に当たった経験と実績、これらの資源を持つ私達と、経済学や経済史を本格的に学びたいという志を持つ皆さんとが結びつき、私達にも皆さんにも、そして社会にとっても良い結果をもたらすと確信しています。
熱意のある皆さんとお会いできることを楽しみにしています。