概要

日時:2012年7月5日(木) 16:30-18:00
場所:3号 館1階116室
講演者:佐野晋平氏(神戸大学)
タイトル:Wage distribution and return to education in Japan: A quantile regression analysis

【Abstract】
本研究の第1の目的は、Quantile Regressionを用いることにより教育が日本の賃金格差にどのような影響を与えているのかを明らかにするこ とである。第2の目 的は、その影響が時系 列的にどのように変化しているかを確認することである。第3の目的は、コホー ト別に教育が与える賃金分布への影響を推定することであ る。得られた結果は以 下の通りである。既存研究と同様にクロスセクション・データを用いて分析したところ、欧米諸国と同程度に賃金格差を拡大させているこ とが確認された。ま た、低賃金層における教育のリターンは低下の傾向を持つことも確認された。しかしながら、サンプルを若年層に限定するとそのような傾 向は観察されず、中高 年層においてそのような傾向が顕著であった。つまり、中高年層においては、教育が賃金格差を拡大させるといえる。また、若年者層のサ ンプルでコホート別の 分析を行ったところ、コホート間で大きな違いは観察されなかった。