概要

日時:2010年7月8日(木) 16:30-18:00
場所:南大沢3号館1階 会議室
講演者:高橋秀直氏(一橋大学経済学研究科)
タイトル:ロンドンにおける外国為替市場の台頭・定着とその機能-1925-1931年-

【概要】
本報告は,1920年代のロンドンで台頭した外国為替市場の動 向を再検討することが目的である。特に,1925年にイギリスの金本位 制復帰後の先物為替 レートの動向を検討する。その上で,1920年代初期の ロンドンにおいて台頭した外国為替市場が,金本位制再建という金融上の制度変 化に見舞われたにもか かわらず,依然として定着・機能し続けたことを明らかにする。まず、1920年 代におけるロンドン外国為替市場の台頭やイギリスの金 本位制再建をめぐる動 向を概観する。次に、イギリスの金本位制再建後も,ロンドンにおいて先物為替市場が十分に定着・機能していたかどうかを、カバー付き 金利平価の成立を確認 することにより検討する。また、イギリスの金本位制離脱を後押しした1931年 の「ポンド危機」の発生前後において、ロンドン市場に おける直物為替レート と先物為替レートの動きに違いがあることを確認する。その事を、ポンド平価維持に対する市場の信認の動揺の帰結と解釈する。