概要

日時:2010年5月6日(木) 16:30-18:00
場所:南大沢3号館1階 会議室
講演者:五十川大也氏(東京大学経済学研究科)
タイトル:The Impact of Gasoline Price Expectations on Automobile Demand

【概要】
本論文ではガソリン価格と自動車需要の関係を実証的に考察した。特に、ガソ リン先物価格を将来の期待価格を表す指標として用いることで、消費者の期待 に依存した形でガソリン価格の変化が新車需要に与える影響を推定している。 推定された需要関数に基づき、二つの分析を行った。第一に、ガソリン税が変 更された場合の新車売上の変化を予測した。ガソリン税によるガソリン価格の 変化は、他の要因による価格変化より消費者に「持続的」だと見なされる可能 性が高いが、消費者の期待を考慮しない分析ではこの点を考慮できない。第二 に、「消費者にどのように見なされたか明らかではないイベント」について消 費者の期待を推定した。日本におけるガソリン暫定税率の一時的失効に関して 分析を行った結果、この時期の消費者はガソリン税の復活に関して不確実性の 高い状況にあったことが明らかになった。