概要

日時:2009年10月1日(木) 16:30-18:00
講演者:石川 大輔氏(財務省財務総合政策研究所)
タイトル:日本における県別の銀行貸出金利に一物一価の法則は成立するのか?-パネル共和分検定による実証分析

【概要】
本論文は、日本における県別の銀行貸出金利に一物一価の法則が成立しているのか、換言すれば貸出市場が県ごとに分断さ れているのか否か を、県別データにパ ネル共和分検定を適用することにより検証したものである。  そのために、まず各県においてリスクが調整された銀行貸出金利を計算した。そして、その計算されたリスク調整済みの県別貸出金利につい て、任意の異なる 2県間の同金利のスプレッドに関する分析を行い、県別貸出 金利に一物一価の法則が成立しているか否かを検証した。  その結果、1976年 -1989年(バブル 崩壊前)において は、 「都市銀行・信託銀行・長期信用銀行」、及び「地方銀行・第二地方銀 行」のいずれの銀行 貸出市場も、弱い意味で県ごとに分断されていたことが明らかになった。また、1990年 -2001年(バブル 崩壊後)において は、 「都市 銀行・信託銀行・ 長期信用銀行」の県別銀行貸出金利には一物一価の法則が成立していたものの、「地方銀行・第二地方銀行」の銀行貸出市場は、弱い意味で県 ごとに分断されて いたことが明らかになった。