国際金融人材育成特別プログラム

プログラムの概要

グローバル化の進展に伴い、海外の経済政策や国際情勢の変化は、為替レートを大きく変動させ、日本経済やビジネス界に大きな影響を及ぼしています。国際金融の動きは、グローバル化している日本企業の経営にも大きな影響を与えています。国際金融の動きを理論的/実証的にしっかり勉強し、英語を使って海外とのビジネスで戦える、そのような人材を育成することがいまや急務となっています。

東京都立大学経済経営学部では、経済・経営の基礎とその実践を、日本語と英語の両方で学ぶことが出来る国際金融人材育成特別プログラムを2025年4月より設置し、2026年3月に最初の卒業生を輩出する予定です。本プログラムでは、経済・経営分野のミクロ・マクロ理論、統計・計量分析の手法を学び、データ分析を自分で行える基礎知識を学習し、さらに、国際金融の政策や実務を実際に担当してきた専門家の講義を聞くことで、理論と実践を結び付けられる、人材育成をめざします。

リーフレット

国際金融人材育成特別プログラムのリーフレットをダウンロードしてご覧いただけます。

履修案内

このプログラムは、経済経営学部のどのコース、どの学年であっても履修することが可能です。
ただし、プログラムの修了証については、プログラム開始年度以降の卒業者(2026年3月期以降の卒業者)にのみ付与します。

2025年度開設科目

 国際金融の実務・政策 1,2

担当教員:吉野直行 (本学特任教授、慶応義塾大学名誉教授)
前期/後期 木曜日4時限開講(H0902/H0903)

為替レートの変動、海外/日本の株価の変動は、どのような要因により引き起こされるのか、国際金融の理論を用いて、基礎知識を前期に修得します。後期には、国際金融を取り巻くさまざまな政策と実務について、実際に政策を担当された方々、経験を積んだ実務家の方々を講義にお招きし、実務面についての知識を修得します。
(標準履修年次:2~4年)

 サステナブルファイナンス

担当教員:北川哲雄 (本学特任教授、青山学院大学名誉教授)
前期 月曜日5時限開講(H0901 メディア授業)

サステナブルファイナンスの隆盛化の背景、企業行動の変化、経営者リスクの増大、機関投資家のエンゲージメントの巧拙、新しいファイナンスツールの開発、社会モニタリングの連鎖、新しいプレイヤーの出現といった問題まで広げて論じたいと思います。
(標準履修年次:2~4年)

 ビジネス英語 LevelⅠ,Ⅱ

担当教員:NSEの講師
前期/後期 火曜日1時限開講(H0904/H0905)

国際関連業務に従事するために必要とされるビジネスに関連した英語を身に付けることを目標とし、リスニング力の向上と適切な表現を用いた会話力の向上に焦点をあてた授業を行います。質問、ロールプレイ、ディスカッション、プレゼンテーションを通じて会話の練習を行います。
前期開講のLevelⅠはCEFR:A2~B1、英検2級程度、後期開講のLevelⅡはCEFR:B2、英検準1級程度の学生を対象とします。履修は先着順登録を行いますので、別途連絡する履修方法を確認してください。
(※経済経営学部生のみ履修可能。標準履修年次:1~4年)

 国際金融特別講義: International Business and Economics 1,2

担当教員:Michael Lacktorin (シカゴ大学MBA; 慶応義塾大学PhD)野村証券(M&A); Citibank(M&A)
前期/後期 木曜日5時限開講(H0906/H0907)

“International Business and Economics”は、日本人学生に長年教えてきた経験を生かし、すべて英語で講義される科目です。講義の第一の目的は、国際経済や国際ビジネスの動きが、地政学的な環境、経済理論、法制度、さらに、それぞれの国の文化によって大きな影響を受けていることを勉強することです。第二の目的は、英語力を向上させ、さまざまな経済活動/ビジネス行動において、自分の考えを英語で発信できる力を養うことです。英語の講義を聴き、文献を英語で読み、自分の意見を講義中に発信し、学生同士が英語で議論を展開できる力を付けることが重要です。1と2の講義を続けて聴講することを希望しています。
(標準履修年次:2~4年)

 国際金融特別講義: 国際証券投資と資産運用Ⅰ,Ⅱ

担当教員:各寄附元 実務家教員 (日本証券アナリスト協会/三井住友信託銀行)
前期 月曜日4時限開講(H0908)/ 後期 木曜日3時限開講(H0909)

国際金融、資産運用分野での実務経験を積んだ実務家教員により提供され、理論と実務のバランスを勘案しながら、将来を担う世代が身に付けておくべき基本的な知識を身に付けられるよう設定されます。

「国際証券投資と資産運用Ⅰ-基礎となる理論と実務」は、公益社団法人日本証券アナリスト協会の寄附講義であり、資産の形成や運用に関する基本的な知識を身に付けることを目指します。同協会が認定する各種資格の取得にも対応したレベルを目指します。

「国際証券投資と資産運用Ⅱ-年金を通して学ぶ金融機関の役割」は、三井住友信託銀行株式会社による寄附講義です。銀行業務に実際に触れるインターンシップなどの機会についても設ける可能性がありますが、詳細は授業内で指示します。
(標準履修年次:2~4年)

 国際金融特別講義: Principles and Practice of International Investment
Management

担当教員:Govinda Finn (Sumitomo Mitsui Trust Asset Management, Advisor)
後期 木曜日2時限開講(H0912 メディア授業)

この講義では、資産選択(Portfolio Management)の現場をイギリスや日本で体験してきた経験を踏まえ、実際の現場で使われている資産選択の方法を理論と対比させながら、学生に理解してほしいと思っています。講義はすべて英語で行います。日本は、グローバルな金融資産の運用成果では、アメリカやイギリスに大きな遅れを取っています。実際のマーケットの動きを見ながら、資産運用の現場で行われている手法を理解し、グローバルなデータを活用して運用成果が上げられる人材を目指してほしいと思います。
(標準履修年次:2~4年)

 国際金融特別講義: グローバルファイナンスと資本市場

担当教員:安間匡明(元国際協力銀行取締役、元世界銀行日本理事室理事補、PwCサステナビリティ合同会社執行役員常務、インパクト志向金融宣言事務局長。東京大学工学系研究科社会基盤専攻 博士(工学))
後期 火曜日5時限開講(H0913)

グローバルな金融・資本市場において利用されている様々な取引のうち、特徴的で存在感のある主要な金融取引の理解を深めるために、それらの取引が生まれる背景、基本的な仕組み、リスクとリターン、市場に存在する意義などを具体的に説明します。また、その理解をベースに、グローバルな市場のあり方(規律・リスク等)に関する主な論点を理解することができます。金融機関や企業の財務部門に勤務することを志望する学生のみならず、グローバル市場において金融が果たしている役割を理解したいと考える学生が、実際に市場で多用されている主要な金融取引の形態や仕組みを理解することができるようになることを期待しています。
(標準履修年次:2~4年)

 国際金融特別講義: 金融政策

担当教員:福田慎一(東京大学教授)
後期 火曜日4限開講(H0914)

本講義では、金融のマクロ経済学的な側面に焦点を当て、標準的な経済理論(マクロ経済学、ミクロ経済学)を応用することによって、金融政策およびその国際金融への応用に関連した基本問題に関する講義を行います。
(標準履修年次:2~4年)

科目一覧

2025年4月現在予定されている科目の一覧です。
今後変更する場合には、改めて掲示およびホームページ等で周知します。

科目区分 科目 単位数 修了認定要件
経済経営学部
専門科目
金融論1 12単位以上 20単位以上
金融論2
金融経済学
国際経済学
国際金融論
財政学
ゲーム理論1
ゲーム理論2
金融工学
金融リスク論
ファイナンス
コーポレートファイナンス
国際金融特別講義 各2
サステナブルファイナンス 6単位
国際金融の実務・政策1
国際金融の実務・政策2
ビジネス英語 Level Ⅰ 2単位以上
ビジネス英語 Level Ⅱ

数学学習用動画コンテンツ

高校数学IIIの要点を学習することができます。
内容:極限(12講),微分法(21講),積分法(17講)

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シンポジウム(2025年2月22日開催)

国際金融人材育成特別プログラム開設に先立ち、2025年2月22日にシンポジウムを開催いたしました。
基調講演には、前日本銀行総裁の黒田東彦氏及び前金融庁長官の栗田照久氏並びに次年度から国際金融人材育成特別プログラムの授業科目をご担当いただくGovindaFinn氏のお三方をお迎えすることができ、国際金融のご経験や同分野の重要性について貴重なお話を頂く良い機会となりました。当日は、都立大に興味のある高校生、その関係者及び都立大生を中心に総勢180名もの参加を得ることができ、盛況のうちに無事終了することができました。

お忙しい中、ご参加下さった皆様へ謹んでお礼申し上げます。なお、国際金融人材育成特別プログラムは2025年4月より正式に開設されることとなります。本シンポジウムを良いスタートとし、プログラムの充実に努めてまいります。