経済経営学部について
学部長挨拶
経済経営学部では、私たちの暮らしや社会の基盤となる「経済」と、社会をダイナミックに動かす「経営」について、基礎から応用まで幅広く学ぶことができます。経済学は、一見すると複雑な経済現象の背後にある論理を、過去から現在に至る経済の動きを分析する視点と、現代のデータや理論をもとに将来の経済動向を推測する視点の両面から明らかにする学問です。消費者や企業の行動、国家間の経済関係や国際経済の動向を、歴史的背景と現代的分析の両方から深く理解し、社会の未来を多角的に見通す力を養います。
一方、経営学は、戦略論、組織論、財務、会計、マーケティングなど、さまざまな角度から企業活動を分析し、その本質を探究する学問です。社会との調和を意識しながら新たな価値を創造し、持続可能な社会の発展に貢献できるリーダーシップを育みます。こうした学びを通じて、現代社会が抱える複雑な課題に柔軟かつ論理的に向き合い、問題解決に必要な判断力や創造力を培います。
本学部では、学生一人ひとりの成長をきめ細かく支援するため、少人数教育を重視した学習環境を提供しています。講義では、学生の理解度や関心に応じて丁寧な指導を行い、双方向のコミュニケーションを通じて主体的な学びを促進します。さらに、演習(ゼミ)では担当教員のもと、特定のテーマに深く取り組み、経済・経営に関する実社会の課題について考察します。文献講読、ディスカッション、プレゼンテーション、共同研究など多彩な学びを通じて、思考力や表現力を鍛えます。教員との距離が近く、仲間と切磋琢磨できる環境の中で主体的に学び、多様な意見を尊重しながら共に課題解決に挑む姿勢が養われます。この姿勢は、現代社会で求められる重要な資質となっています。
私たちの社会は、グローバル化と情報技術の発展により、以前に比べて複雑化した国際課題に直面しています。さらに、誰もがアクセス可能な多様なデータにより、異なる文化や価値観を持つ人々と協働し、主観に頼らず、客観的な証拠(エビデンス)に基づいた意思決定や論証を行う力が、これまで以上に重要となっています。
経済や経営に関する膨大で多様なデータを適切に分析し、エビデンスに基づいた意思決定を行う能力は、国や企業の成長を支えるうえで不可欠です。データを通じて人々の行動の背後に潜むパターンを明らかにし、数値に隠された意味を把握する力は、未来を予測し、的確な判断を下すための強力な武器となります。本学部では、経済学と経営学の知識を基盤に、数理的な素養やデータサイエンスのスキルを高める講義・演習を提供しています。学際的な視点を養いながら、データと論理に基づく確かな意思決定ができる人材の育成に力を注いでいます。
さらに、グローバルな課題に対応する能力を育成するため、経済学と経営学の基礎と実践を日本語と英語で学べる、国際的な視点を養うことに特化した国際金融人材育成プログラムを開講しています。このプログラムでは、国際金融に関する理論と実務を体系的に修得し、グローバルな金融市場でリーダーとして活躍できる人材を育成します。グローバル化が進むなかで、国際金融の動向は日本経済や企業経営にも大きな影響を与えており、その理解は今後ますます重要性を増していきます。理論と実証の両面から国際金融を深く学び、英語を活用して国際社会で自信を持って活躍できる力を身につけます。
経済経営学部で、社会の複雑な課題に果敢に挑み、データと論理を武器に未来を共に切り拓きましょう。皆さんの知的好奇心と行動力が、社会に新しい価値を生み、持続可能な未来を支えることを、私たちは心から信じています。
経済経営学部のコンセプト
経済のグローバル化や情報の高度化、人口構造・生活様式の変化など、今日の経済活動は様々な要因によりその姿を変えつつあります。社会が秩序を保ちながら大きく進化・発展していくためには、様々な人々、機関、国家の諸活動を適切に調整することが重要です。その際、2つの鍵となる調整メカニズムが重要な役割を果たします。ひとつは、自由な意志を持った個人の諸行動を価格の変動を通じて自動的に調整する「市場のメカニズム」です。もうひとつは、経営者が政策目標を設定し、計画を立案し、それに基づいて世の中の様々な利害関係や行動を調整する「組織のメカニズム」です。前者を中心に社会を考察していくのが広い意味での経済学であり、後者が経営学であるといえます。これらは、現実により良い社会や組織を構想し実現するための両輪であり、社会や組織の中で起こりうる様々な問題を解決するための「政策科学」なのです。
経済経営学部では、経済学と経営学の体系的なカリキュラムの提供を通して、教養教育と専門性の高い先進教育を展開します。そして、社会や組織のリーダーとして、市場と組織という2つの調整メカニズムを通じて、社会全体を望ましい姿に導いていくための政策立案能力と問題解決能力の涵養をめざします。
経済経営学部の特色
ポイント1 2年次進級時にコースを選択
1年次に広く経済学と経営学の導入科目を学び、2年次進級時に学生の問題意識や関心にあわせ、経済学コースか経営学コースを選択します。いずれのコースにおいても経済学と経営学をともに学ぶことができ、自由な科目の履修が可能です。
ポイント2 優秀な研究者による少人数教育と徹底した専門教育を実現
2年次には、大教室における講義ばかりではなく、少人数のための専門的な講義・ゼミナールを目指した「2年次専門セミナー」が開講されます。
3年次には、ほとんどの学生が少人数制のゼミナールに参加します。各分野の第一線の研究者である指導教員のもとで研究テーマにそって専門の知見を深め、4年次に卒業論文としてまとめていきます。
ポイント3 大学院と連携した実践教育
大学院では、経営学・経済学・ファイナンスの各分野で高度な課題処理能力を身につけた研究者および専門家を育成します。学部および大学院の専任教員として、経営学・経済学の学界を国際的にリードする研究者や、日本を代表する企業の重要ポストや国の中枢を担う政策決定機関からの人材など、それぞれの分野の第一線の研究者を擁しています。
パンフレット
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