修了生・在校生座談会

修了生・在校生に体験談をお聞きしました。

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東京都立大学ビジネススクールになっても変わらないこと

〜実践で身につけてきたことを学術的に裏付けする

経営学プログラムは2003年の開設以来、企業や公共機関で実務についている方々が学術的な理論や方法論をしっかり身につけることを重視しています。
マスコミやインターネットで簡単に情報を得るだけでは身につかない深い知識と思考力が高度な意思決定や組織革新、付加価値創造につながると信じているからです。
経営学プログラムの修了生と在校生にお集まりいただき、本プログラムで実際に得たものについてお伺いしました。

参加者プロフィール

※2019年9月現在、敬称略

石川 満

石川 満

生命保険会社勤務

経営学プログラム修了

川名 喜之

川名 喜之

精密機械メーカー勤務

経営学プログラム修了後、
博士後期課程に進学

川上 博之

川上 博之

製薬会社勤務

経営学プログラム修了

加藤 薫

加藤 薫

出版社勤務

修士2年

秋元 優喜

秋元 優喜

ITベンチャー企業執行役員

修士1年

高尾 義明

高尾 義明 司会担当

首都大学東京 大学院
経営学研究科 教授
MBAプログラムディレクター

目次

入学したきっかけと理由

最初に、皆さんがビジネススクールに入ろうと思って、首都大学東京(2020年4月から東京都立大学に改称)の大学院を選ばれた理由やきっかけを伺えればと思います。

石川

私は営業部門が長くて、入社15~16年がすぎて、営業がある程度できるようになって、実践で学んだことをきちんと理論で裏打ちしたいということと、自社をもっと良くしたい、でもどうしていいかわからない、ということがありました。他のビジネススクールと比較して、首都大のほうが生徒に対して先生方がたくさんいていいなとか、費用も断然安いというのがあったので、ほぼ一択という感じで決めました。

川名

私は新卒のときに経済学系で大学院1つ出ていまして、それから社会人になって、ちょうど10年が過ぎて、そのときに勉強した知識がだんだん陳腐化していってるなと感じました。時代の移り変わりが早いので、特に資格とかの勉強はすぐ廃れていく。自分のキャリアを考えて、やっぱり何かもう1つ土台をつくっておきたいな、自分自身のコアとなる能力をつくっておきたいなということで、首都大のほうに入りました。首都大は組織論が強いという漠然とした印象があって選ばせていただきました。

川上

私の場合は、大勢の人とそれなりのリソースをハンドルするプロジェクトマネジメントを担当するようになって、今までの自分の中での経験とか、学んできたことではなかなか捉えきれないような難しさがあったんですね。こういったプロジェクトをうまくマネージするためにも一度、経営学というものを勉強してみたいなと思うようになりました。社会人向けのMBAは卒業するのに論文を書くところとそうではないところがあるのですが、せっかくであれば論文を書いて卒業したいということで、自分にハードルを課して、こちらを選びました。もう1つ、カリキュラムが比較的幅広く、いろいろな分野にわたって学べそうだということもありました。

加藤

私がMBAを志望した理由は、20年ぐらいやっている業務に関しては一通り何でもできるとはいえ、勘と経験だけでずっと仕事をしていて、どこかに自信のなさみたいなのがありました。それを理論で支えてもらったらどうなるんだろう、それにはやはりちゃんと学ばなきゃいけないと思って、MBAに行こうと思いました。私の仕事はマーケティングなんですけど、出身の学部が文学部なので全く経営学をやっていませんでした。調べていくと、マーケティングだけとっても専門分野が細かく分かれているってことがわかって、首都大は専門のバランスがとれていて、自分には合っているかなと思ったので、最終的にここを選びました。

秋元

弊社は2年前に上場しているのですが、そこに至るまで、勘と経験と勢いでやってきたと言っても過言ではなく、上場後、業績は伸びてはいるものの、この先大企業になっていくためには、何か足りないものがあるんじゃないかというのをよく感じていました。現在直面している問題に、学術的な裏付けがあるのではないかと考えたのが、私がMBAに行こうと思ったきっかけです。私は他校も受験して、結果的にいくつか選択肢があったのですが、少人数制と、あとは、私は人事が専門なので、人材や組織分野の先生の数と実績で首都大が一番だと思い、こちらを選ばせていただきました。

少人数制の良さ

少人数制がうちの特徴だと思うのですが、教員と学生の皆さんの間や、学生の皆さん同士の距離の近さによる学びみたいなところはありますか。

石川

特に1年次の授業は、必履科目のどの先生にも、ものすごく丁寧に教えていただきました。カリキュラムのプログラムをつくり込んで、いかに導入の部分でわれわれが離脱しないか、考えていただいてたんだなっていうのが途中ですごく分かってきました。距離が近い、人数が少ない中で、疑問に思ったこと、そもそも今なぜこれを研究しないといけないんだとか、そういう根本的なところまで、深く問いを立ててもらえたなあというのがあります。それが首都大の流儀というか、先生方が皆そういうスタンスなのかなと思います。それは今、自身の仕事をするときにもすごく役に立っている感じがします。

川名

少人数の良さと大変さがあって、よく言えば濃密に見ていただける反面、非常に厳しい課題を課せられて大変だったなという思いが、今でもやっぱり残っていますね。私がドクター(博士後期課程)に進んだのも、やっぱり少人数だったからこそ、先生と濃密にコミュニケーションを取らせていただいて、いろんなことを学んだからかなと思っております。これが、もし規模の大きいところに行って大勢いるうちの学生の1人だったら、たぶん私なんか全然目立たなかったと思います。

川上

授業のゼミも少人数だからこそ、すごく主体的に勉強ができたなと感じています。具体的には、授業の中でも自分から発言する機会とか、少人数のグループワークがあるんですけども、こんなに主体的に発信しながら学ぶというのは、ちょっと意外でしたね。機械的な勉強が主体なのかと思っていたら、見事に少人数で、先生と自分たちの発言がインタラクティブに交わされる中で学んでいく。本当に2年間大変だったんですけども、卒業してからも、いわゆる経営学っていう言葉が自分にとっては、仕事学という言葉に近いぐらい、身近なものに感じられます。

加藤

少人数なのでお互いのバックグラウンドを理解していて、授業でも、学生同士で授業の後にディスカッションする時もプラスになっています。これが人数が多ければ、たぶん先生も抽象的な質問になったりすると思うんですけど、年齢だったりキャリアだったりいろんなことを踏まえた上で、授業の質問を投げてくれるので良いなと思っています。

秋元

同級生がどういう会社でどんな仕事やっているのかももちろん分かりますし、仕事の悩みとかいろんな話ができる。深く知っているからこそ、ディスカッションや話す内容が深まることが大いにあります。先生方からもバックボーンや勤務先、どんな仕事しているかなど、わかった上で、それに基づいて質問がポンと来るので、こちらも楽しいというか、やりがいがあります。

論文執筆の意義
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※ 首都大学東京は、2020年4月1日に大学名称を東京都立大学に変更しました。