修了生・在校生座談会

修了生・在校生に体験談をお聞きしました。

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東京都立大学ビジネススクールになっても変わらないこと

〜実践で身につけてきたことを学術的に裏付けする

経営学プログラムは2003年の開設以来、企業や公共機関で実務についている方々が学術的な理論や方法論をしっかり身につけることを重視しています。
マスコミやインターネットで簡単に情報を得るだけでは身につかない深い知識と思考力が高度な意思決定や組織革新、付加価値創造につながると信じているからです。
経営学プログラムの修了生と在校生にお集まりいただき、本プログラムで実際に得たものについてお伺いしました。

参加者プロフィール

※2019年9月現在、敬称略

石川 満

石川 満

生命保険会社勤務

経営学プログラム修了

川名 喜之

川名 喜之

精密機械メーカー勤務

経営学プログラム修了後、
博士後期課程に進学

川上 博之

川上 博之

製薬会社勤務

経営学プログラム修了

加藤 薫

加藤 薫

出版社勤務

修士2年

秋元 優喜

秋元 優喜

ITベンチャー企業執行役員

修士1年

高尾 義明

高尾 義明 司会担当

首都大学東京 大学院
経営学研究科 教授
MBAプログラムディレクター

目次

論文執筆の意義

このMBAでは、修士論文か課題研究論文を書かないと修了できないのですが、大きな壁である論文執筆についてはいかがでしたか。

川上

予想以上に大変でした。自分なりに興味のあるテーマがあったのですけれども、やはり先行研究を洗い出したり、探し出したり、まとめたりするのが理系のバックグラウンドしかない私にとってはなかなか大変だったんですね。でも、先生方のサポートとか、ゼミの仲間たちと話をしていくにつれて、秋ぐらいから研究の見通しが見えてきて、書いているのが楽しくなりました。卒業した後、仕事していても、書類を読んだり何か調べたりすることってのは全然苦じゃなくなって、いろいろな人たちの話を聞く受け皿みたいなものも大きくなったので、大変だったけど、やってよかったなと思いますね。

加藤

私も課題とか、問題意識はあるんですけど、それを学術的にアプローチしていったときに、どういう先行研究に支えられて、どうやって今後の研究に役立つ修論として残すのかを今やっているところで、自分のイメージとしては、山に登ろうとして、まだ全然ふもとにいるような感じです。

川上

私も最後までそういう感じでしたけど。

加藤

どこに頂上があるんだろうという感じですね。登ったと思ったら、登ってない。

川上

登ってないですね。

石川

私は、臨床心理学と組織論の学際的な感じの領域をやろうと思ったので、どういう手掛かり、足掛かりでいったらいいのかっていうのがわかりづらくて、ゼミで一番最後まで迷走しました。でも、そのときの研究は、今の自分に本当に身になって、仕事で生きる場面が多いなあと思うので、責任は重たいですけど自由に好きなことをやらせてもらえるのが良かったと思います。

ビジネススクールで学んだことがどのように生かされるのか

次に、ここでいろいろ学ばれたことが、その後どのように生かされているのかをお聞かせください。

石川

2年間、あれだけの知識を蓄えたので、いろいろなフレームワークが身に染み付いて、仕事の処理能力が明らかに上がりました。その分、考える時間をつくることができるようになったので、仕事を深く考えるようになりました。それもあってか、BSでの専攻は組織論なのにマーケィング部門の立ち上げをする事になりまして、キャリアという面ではすごく広がりが出たなあと感じます。あと、プライベートですが通学当時、小1の娘が自分と机を並べて勉強していたので、親が必死になって勉強している姿勢を見せることができました。これは意外と良い影響になったかなと感じています。

川名

スキル的な面で言いますと、2年間の間に膨大な文献とか読んだ関係で、文章読むのが速くなりました。授業では、相当のスピードで読まないと追いかないんですね。速くなっただけじゃなくて、そういう文献とか資料の読み方とかが理解できたかなと思っています。もちろん、論文書いたということで、文章の書く能力も鍛えられました。会社では、ずいぶん暑苦しい文章書くと言われます(笑)。経験とか勘とかだけじゃなくて、裏付けしながら深く考える癖が付いたかなと思っています。

女性画像

川上

私なりに感じているのは、自分の頭で本質的なことを考えてみるっていうことがすごく身に付いてきたというか、そういうことが好きになってきました。自分が正しいとか自分がこうだと思っていることが、意外と何かから借りてきたものであったりだとか、自分が正しいと思ってしまっていることに気づきました。MBAで「こういうこともあるんだ」「もっとこういうことも考えてみようかな」ということを2年間繰り返してると、会社にいても家庭にいても、自分の頭で落ち着いて本質的なことを考えるっていうことが、自分には楽しみまではいかないですけど、すごく楽になっていきました。

加藤

思考力を鍛えられているなというのは、どの授業でもあって、考えて考えて考えて何も出なくてももう1回考えるみたいなのが続いて、それが割と身に付いてきています。考えることの体力がついたというんですかね。それがあって、仕事で課題が出てきても、投げ出さずにとりあえず考えるとか、客観的に見るとか、問題を1回分解してみるとか、考えることに対する強さとか、挑む力みたいなのは多少付いたかなとは思います。

秋元

私は入学してからの期間が短いからかもしれないのですが、いろんなアカデミックな言葉を知るじゃないですか。仕事で使いたくなるんですよね(笑)。私の会社はアカデミック色が薄いということもあって、やっぱりちょっとハテナ?って顔をされるんですね。これはまずいと思っています。おそらくまだ、そういった知識を自分の中できちんと理解というか、深く思考していない中で使っているからだと思います。自分の言葉に置き換わるようになってはじめて伝わるのではないかと考えています。ただ、学びを通して、「あ、こういうことだったんだな」と思うことは本当にたくさんあります。そういった気づきが、今まで自分1人で悩んでいたときに比べて、すごく勉強になっていると実感させてくれます。

男性3名画像

石川

ちょっと私、言い忘れてました。私も、このMBAカリキュラムのおかげで、考え尽くせば何かしら出せるという自信がつきました。仕事で考えることに対しての恐れがなくなりました。それまでの自分だと、職場の部下とか後輩にすぐに厳しいことを言って成果を出させようとしていたのが、とにかく考えて何か出すことがとても面白いという、知的な興奮を周りにも味わってもらおうとするようになりました。それを何度か繰り返すと、やっぱりいいアイデアって出てきます。みんなで知恵と工夫を出せば、たいていのことは何とかなるんだよっていうことが、不自然じゃなく言えるようになりました。これはぜひ言いたかったです。

志望者へのメッセージ
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※ 首都大学東京は、2020年4月1日に大学名称を東京都立大学に変更しました。