こんにちは。宮本ゼミ3期生の熊谷です。
「社会的養護」
皆さんはこの言葉を聞いたことがあるでしょうか?
「社会的養護」とは、「虐待や経済的理由で実の親の元で暮らせなくなった子どもたちを、公的な責任として社会的に養育すること」です。
日本では45,000人もの子どもたちがこの状況下に置かれており、そのほとんどは養護施設で集団生活を送っています。養子縁組や里親のもとで家族として暮らす家庭養育を受ける子どもたちはたったの6,000人。全体のわずか13%です。
自分を無条件に受け入れ、愛してくれる親がいること。
これは心に傷を負った子どもたちにとって、とても重要なことのはずです。しかし、むやみに里親制度や養子縁組制度を推し進めていいものでしょうか?
現在、里親制度では受託後一年未満で25%の里親がリタイアしてしまうという現実があります。原因としては、里親同士の交流の場が少なく悩みを相談することができない、といったことが挙げられますが、いずれにしても子どもたちにとって辛い経験であることに変わりありません。
そこで新たに注目するのが「同性カップル×養子縁組」の可能性です。
現在の日本の法律では同性婚は認められておらず、正式な夫婦ではない同性カップルは特別養子縁組を組むことができません。
同性カップルにこどもが育てられるのか?といった偏見もあることでしょう。しかし、全米小児医学会の2002年の研究では両親が同性同士でも愛情があり、安定した健全的な家庭を与えられると発表していますし、実際に同性婚が認められているアメリカではレズビアンカップルの3組に1組が養子縁組を経て子育てに奮闘しています。
子どもたちにとって最も大切なことは、温かい家庭で愛情をもって育てられることでしょう。
同性婚が認められること、同性カップルに子どもを持つ権利が与えられることはマイノリティの方々だけでなく、家族の愛を求める子どもたちにとっても、意味のあることではないでしょうか。