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Changing Values ~ 若者世代の価値観は?

こんにちは。宮本ゼミ3期生の朴宰賢です。

あなたにとって何が大事ですか?物事について何を基準にして判断しますか?

以上の質問は、あなたの価値観に直間しています。

今回の私の記事では、時代と共に変化する価値観とその影響について注目しました。

価値観は変化するもの

近年の若者世代がどのような価値観を持っていると思いますか?価値観というものは人によって違うため、一言で定義することはかなり難しいです。しかし、世論調査によると普遍的な価値や通念はトレンドのように見えてくるのです。米WSJとNBC放送が、米国人を対象に「自分に重要な価値」を調査した結果、愛国心・家族・宗教が重要だと答えた若者は20年前に比べて大きく減少しました。これら3つの価値観は米国で大切にされてきた伝統的な価値観ですが、現在の若者にとって重要ではなくなっています。

今、若者の価値観は?

このように、価値観は時代によって変わりつつあります。世界価値観調査とWorld Economic Forumによると、世界の若者世代の価値観は、以前より「個人主義・未来に冷笑的・権力集団不信頼」の傾向が強くなっています。集団より自分を重視し、他人との信頼関係が薄くなる個人主義化。現在よりいい暮らしにすることに自信がなく、今さえ楽しめればいいと考える未来に対して冷笑的な態度。国家や企業は、自分や弱者を守ってくれないという不信頼。これらの価値観は、現在若者には普遍的な価値観になってきています。

変化した要因

なぜ、このような傾向が強くなっているのでしょうか?調査機関によると多様な変化要因がありますが、一部の要因を紹介します。それは、「高い教育水準・経済危機/不況・情報通信テクノロジー」です。現在の若者世代は親世代より豊かな環境で育てられ、歴史上最高水準の教育を受けました。その反面、2008年のリーマンショックやコロナ禍による経済不況や若者就職難を経験した世代でもあります。質の高い人材に育てられたのに、活躍できる経済環境が整っていないことから感じられる喪失感や敗北感は、若者が未来に冷笑的で権力集団を信頼しなくなることに、影響を与えたと言われます。また、The Atlanticの調査によると、2007年iPhoneの普及以降から青少年の人と関わる頻度が激減しました。このように、情報通信テクノロジーの発展による個人主義の加速化も変化要因の一つです。

社会へのインパクト

若者の価値観の変化は、世界に大きなインパクトを与えています。アフリカ系米国人に対する警察の過剰鎮圧による事故に対抗する運動「Black Lives Matter」は、権力集団を信頼せず、マイノリティーのために声をあげる若者世代が中心になりました。また、一回しかない人生、自分のために生きて楽しもうという「YOLO」は、多くの若者に共感を得ました。そして、貯蓄の代わりに自分の好きな贅沢品を買ってSNSに投稿するなど、消費文化に影響を与えました。

さらに、価値観の変化によって大きく影響されたのは、労働市場です。MetLifeのリサーチによると、1993-1998年に生まれた「Zillennials」世代は、現在自分の仕事に満足していません。集団より自分を重視する若者は、仕事で自分の幸せや成就感を実現したがり、社会について強い使命を持った会社で働きたい傾向があります。理想が高いため仕事に満足することが難しく、それを実現可能な会社を探すために転職を迷わないことが現世代の特徴です。労働市場は流動的になる反面、簡単に退社してしまうカルチャーがあるため不確実性も存在するようになります。

以上のように価値観は、社会に大きなインパクトを与える要因の一つです。過去と現在の世代間の価値観が違うため、ジェネレーションギャップなどの問題があります。次世代の価値観はどこに向いているのかは全くわかりませんが、変わりつつある価値観を理解することは、共に変貌を遂げる社会課題の解決の鍵でもあります。

最後に質問させていただきます。

あなたの人生において大事な価値は何ですか? それを実現するためにどう生きて行くべきですか?

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