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「女性の徴兵」

こんにちは、宮本ゼミ2期生の片瀬彩乃です。

宮本ゼミでは、”Updating Ourselves to the World” と題し、毎週各自が興味を持った課題を発表し、それについて全員で議論を行なっています。

今回私は、韓国で議論になっている女性の徴兵制度について取り上げました。

今年5月、韓国で「女性も兵役に就くべきだ」と訴える大統領府への請願に29万人以上が賛同したことが話題になりました。現在、韓国では、健康な男性は18~28歳の間に全員約20ヶ月間の兵役に就く義務があり、女性に兵役はありません。

なぜ今、女性の徴兵制についての議論が活発になっているのでしょうか。

理由として、主に3つのことが挙げられます。

まず少子化です。韓国では、2020年に合計特殊出生率が過去最低の0.84を記録しました。これは、日本の数字(1.34)よりもはるかに低い値です。このまま人口減少が進むと、2023年以降、1年に必要とされる20万人の兵士を維持できなくなるそうです。この人員不足を補うために、女性の徴兵が議論されています。

また、男女平等もその理由です。女性は保護すべき存在ではなく、国を守ることができる頼もしい戦友になり得るとの意見があります。

最後に、男性の不満の表れだとの見方もあります。韓国の男性の多くは大学を一度休学して、兵役に就きます。そのため、男性は女性よりも就職や昇進が遅くなり、女性に比べ不利だと感じる男性が多いようです。実際に、新入社員の平均年齢は女性の方が若く、男性は女性よりも3年ほど就職が遅いという調査結果もあります。

このような様々な理由により、女性徴兵制の議論が活発化しています。

しかし、女性には妊娠や出産といった女性特有のライフイベントがあります。そのため、妊娠や出産、育児で少なくとも1、2年は仕事や学業に専念することが難しくなることも考慮し、慎重に議論する必要があると思います。他にも、性暴力やセクハラ問題の対応、男性社会ならではの慣習の見直しや組織内の意識改革などの取り組みが必要となってきます。

すでにノルウェーやスウェーデンは男女平等のため、女性徴兵制を導入していますが、韓国の徴兵制はどうなっていくのでしょうか。

日本にいるとあまり馴染みのない「徴兵制」ですが、世界では約60カ国が導入しており、世界の人々と関わっていく上で徴兵制についての知識をつけておくことはとても重要に感じます。皆さんもこの機会に、徴兵制について調べてみてはいかがでしょうか。

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