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子供をデザインする!?

こんにちは!宮本ゼミ3期生の木村琉玖です。

皆さんは「デザイナーベビー」という言葉をご存知でしょうか?

デザイナーベビーとは、受精卵に遺伝子操作を行うことで病気への耐性や、親が望む外見・体力・知力などを付与した子供のことです。一見SF映画のような話に聞こえますが、実はここ10年程の間でかなり現実味を帯びてきています。

2013年、アメリカの遺伝子会社が両親の遺伝子情報から望み通りの子供が生まれる度合いを予測するシステムを開発しました。また同年には、任意の遺伝子を削除・置換する技術が二人の研究者によって生み出され、後にノーベル化学賞を受賞しました。これらの技術を用いることで、理論上は望みどおりの子どもを持つことが可能となりました。

そして2018年、中国の大学教授によって遺伝子編集が行われた受精卵から、エイズに耐性を持った双子の女の子が誕生しました。この件は非倫理・軽率など多くの批判を浴び、また「世界初のデザイナーベビー」として世界的な波紋を呼びました。

ここで、デザイナーベビーのメリットについて考えてみましょう。

一番のメリットは、病気の遺伝を懸念する人が子供を持ちやすくなることです。何らかの遺伝病を抱える人でも、遺伝子編集によって病気の遺伝を回避できるのなら、子供を持つことへの不安も解消されるでしょう。また、仮に子供の能力も操作できるようになった場合、有能な子供が生まれることは親や子供本人、社会にとっても有益です。

一方で問題点もあります。遺伝子操作の影響や操作したことによる将来世代への影響が現段階では未知数であることです。また、子供の性質を“デザイン”することが許されるのか、という倫理的な問題もあります。

そんなデザイナーベビーに対して、社会はどのような反応を示しているのでしょうか?

世界20か国で行われた遺伝子編集の使用に対してのアンケートの結果では、病気治療としての使用に賛成する割合が、20か国平均で60%でした。一方、子供の能力を向上させるための使用には、賛成の割合は14%でした。

皆さんはデザイナーベビーについてどのように考えますか?

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