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個性に自信を持つ

こんにちは!宮本ゼミ3期生の栗嶋佑太です。

私たちは「和」を尊重する組織社会の中で生きてきたとされます。しかし、「同調圧力」によってコントロールされてきたのを、綺麗な言葉で表現しているだけとの見方もできます。

「和の文化」と「同調圧力」、この二つの概念について整理してみましょう。

「和」という漢字には、「日本的な」という意味のほかにも「穏やかなこと」「仲良くすること」などという意味があり、人と人の繋がりを指します。

「同調圧力」とは少数意見を持つ人がいる場合に、多数意見に合わせるよう暗黙のうちに強制することを意味します。

私たちの社会では、どちらのウェイトの方が大きいのでしょうか?

組織社会では「同調圧力」が非常に強く作用しているとされます。同調圧力に関する社会心理学の研究は、欧米を中心に行われており、人類全体にこうした傾向があることが指摘されています。

日本人はどうなのでしょうか?

日本人は「集団規範へ同調する傾向」がひときわ強いとの指摘があります。閉鎖的な社会で、個人が勝手な行動をとると、秩序が崩れ、みんなが迷惑します。そこで、日本社会の至るところに、どう行動すればいいかというルールが用意されています。それが「集団規範」であり、この規範を守れない人には「同調圧力」による「村八分」のような白い視線が注がれます。

今、こうした日本人特性が悲劇を生んでいるとされます。

集団の雰囲気を理解し、そこに発生する利害関係に合わせた行動が求められます。個人の考えに関わらず、組織としての利害関係が重視されているのです。見方によっては、個人の尊厳が軽視されているともいえます。

集団に所属するが故に、空気を読むことを強いられて自分の意見が言えないこと、嫌なことに「NO」と言えないこと、マイノリティになることを恐れること。個性が尊重される世の中であるながらも、マイノリティへの村八分な視線は感じざるを得ません。

自分のプリンシパルを強く持つこと、同時に他人のプリンシパルを尊重する雰囲気づくりが必要です。

まずは、自分の所属する集団を俯瞰的に見つめ直すことが重要なのではないでしょうか。人と異なることはおかしなことではありません。海外ではそれが誉め言葉である国もあります。自分の個性に自信を持って、自分らしく生きる勇気と覚悟が必要だと思います。

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