東京ファイナンスフォーラム

Tokyo Finance Forum

第25回研究会

開催日:

2021年6月25日 (金) 16:00 - 17:30

会場:

Webinar形式(zoom)

講師:

伊藤 晴祥 氏(青山学院大学大学院国際マネジメント研究科 准教授)

タイトル:

サステナブルファイナンスは企業価値を高めるか?

概要Overview

サステナブルファイナンスは、企業価値を高めるかどうか、先行研究調査及び統計的な分析に基づき考察した結果についてお話致します。また、株主価値最大化至上主義と、近年のステークホルダー価値の最大化について、示唆のある研究もありますのでご紹介致します。サステナビリティは、(1)期待キャッシュフローが上昇する、(2)加重平均資本コストが低下する、(3)企業の存続年数が延びる場合に企業価値が高まると考えられますが、内外の先行研究調査からは、(2)あるいは(3)を通じて企業価値が高まる可能性が高いと考えられます。エネルギー効率の改善に伴う二酸化炭素排出量の削減によりキャッシュフローの改善するとしている研究もあるため、(1)の可能性もありえると考えられます。CSR/ESG/SDGsに配慮した企業や債券への投資からは、αが取れていると結論付けている研究は多くはなく、サステナビリティへの配慮はダウンサイドリスクをヘッジしうる投資であると考えられます。グリーンボンド等のサステナビリティ債券の発行により、企業価値が高まるという研究もありますが、その理由が必ずしもグリーンプレミアムに伴うものではないという指摘もあります。企業のサステナビリティに関する活動をどのように評価すればよいかについては、議論が多くありますが、企業のサステナビリティを測定し、報告する手法としてハーバード大学のセラフェイム教授が提唱しているインパクト加重会計(Impact Weighted Accounts)についても簡単にご紹介したいと思います。本発表がサステナブルファイナンスの活用に向けた議論のきっかけとなれば幸いです。

講師ご略歴Profile for the Speaker

青山学院大学大学院国際マネジメント研究科准教授、イトックス株式会社代表取締役。2004年3月青山学院大学国際政治経済学部卒業。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士および博士(政策・メディア)。ハワイ大学マノア校シャイドラー・カレッジ・オブ・ビジネス修士(金融工学)および博士(国際経営学)。国際大学講師、准教授を経て、2019年3月より現職。サステナブルファイナンスに関して、「サステナブルファイナンス時代の情報開示と企業価値―企業価値向上をもたらす情報開示とは―」証券アナリストジャーナル2021年2月号、「SDGs債の価格形成に関する分析と投資に際しての留意点―世界銀行のSDGs債とEnel社のGeneral Purpose SDGs Linked Bondsの事例分析―」証券アナリストジャーナル2020年2月号等の論文を執筆している。2020年からISO/TC207 環境マネジメント及びISO/TC322 サステナブルファイナンスのエキスパートを務めている。

お申込み方法How to register

参加ご希望の方は6/24(木)までに事前登録をお願いします。
下記のいずれかの方法で「お名前・所属機関・電子メールアドレス」をご連絡ください。
開催日の午前までにご参加のために必要なURLを記載したメールをお送りします。
※参加費は無料です。

WEBからの登録
本ページにあります「REGISTER HERE」ボタンをクリックいただき、お申し込みフォームよりご登録ください。

電子メールでの登録
finance@tmu.ac.jpまで「お名前・所属機関・電子メールアドレス」をご連絡ください。

ご参加情報は、東京都立大学金融工学研究センター、講演者により共有され、当セミナーの円滑な運営のために利用します。 

金融工学研究センター概要

Research Center for Quantitative Finance

イベント情報

Event