丸の内QFセミナー

Marunouchi QFseminar

第35回研究会

開催日:

2018年11月19日 (月) 18:00-19:20

会場:

丸の内永楽ビルディング18階 首都大学東京 丸の内サテライトキャンパス

報告者:

篠崎 裕司氏(博士(東京工業大学))

タイトル:

楠岡近似の紹介 ~ Pythonによる実装例を交えて

概要Overview

本セミナーの目的は、「楠岡近似」と呼ばれる確率微分方程式の弱近似のための高次離散化手法につき、理論背景と合わせて実装例を説明し、楠岡近似のアルゴリズムの詳細を説明すると共に実用性を示すことである。
デリバティブの価格付けでモンテカルロシミュレーションを用いる際、計算時間が課題となることがしばしばある。これを解決するために、高次離散化手法を用いることで、モンテカルロシミュレーションをする際の時間の分割数を減らすことができ、さらに準モンテカルロ法と組み合わせることで、計算コストを劇的に減らすことが可能となる。Euler-Maruyama法は1次の近似手法であり、これに対し今回紹介する 楠岡近似は2 次・3次離散化手法である。
セミナーでは、まず理論的な背景を簡単に述べた上で、具体的な離散近似手法を導入し、HestonモデルやSABRモデルといった実務に現れるモデルの離散化への応用を紹介する。その上で、Pythonによる実装例を紹介し、アルゴリズムの詳細の説明・直感的な意味合いを説明する。さらに、数値例を通して、楠岡近似により計算コストを劇的に減らすことが可能(例えば、SABRモデル下のアベレージオプションの価格を1bp以内の精度で求めるための計算時間が、Euler-Maruyama法に比べて約400分の1)であることを示す。また、近年金融機関で問題となっているXVA計算への応用(前進後進確率微分方程式への応用)も簡単に述べ、最後に、アカデミック・実務双方の観点で、今後の課題をまとめる。

講師ご略歴Profile for speaker

2013年東京工業大学にて専門職修士課程修了後、金融機関でクオンツ業務に従事する傍ら博士課程にて計算ファイナンスを研究し、2018年博士(工学)を取得。

お申込み方法Registration

第35回研究会へ参加される方は必ず事前登録をお願いいたします。 参加登録の締切は11月16日(金)です。
下記のいずれかの方法で「お名前・所属機関・電子メールアドレス」をご連絡ください。
※参加費は無料です。

WEBからの登録
本ページにあります「REGISTER HERE」ボタンをクリックいただき、お申し込みフォームよりご登録ください。

電子メールでの登録
finance●tmu.ac.jpまで「お名前・所属機関・電子メールアドレス」をご連絡ください。
(※ご連絡時は●を@に置き換えてご使用下さい。)

当日のご案内Information

当日は丸の内永楽ビルディング3階の受付にて、首都大学東京のセミナーへ 参加する旨とご所属、お名前を申し出てください。
ビジターカードが発行されますので、18階の首都大学東京丸の内サテライト キャンパスまでお越しください。

金融工学研究センター概要

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