丸の内QFセミナー

Marunouchi QFseminar

第26回研究会

開催日:

2018年1月22日 (月) 17:30-18:45

会場:

丸の内永楽ビルディング18階 首都大学東京 丸の内サテライトキャンパス

報告者:

Dr. Jordan Brooks (ジョーダン・ブルックス博士)
AQR & NYU Stern School of Business AQRマネージングディレクター

タイトル:

「フィクスト・インカムへの体系的投資」(Systematic Investing in Fixed Income)

ブルックス博士は、システマティックなフィクスト・インカム商品やマクロ、戦術的資産配分(TAA)戦略の開発や監督に従事しています。また、ニューヨーク大学スターン・スクール・オブ・ビジネスでファイナンスの非常勤助教授も務めています。AQR入社以前は、連邦準備制度理事会金融政策局とニューヨーク連邦準備銀行資本市場課で学位論文実習生として勤務していました。ボストンカレッジで経済および数学の学士号、ニューヨーク大学で経済学の修士号と博士号を取得。

概要Abstract

バリュー、モメンタム、キャリー、ディフェンシブ(クオリティ)といったよく知られるファクター(スタイルとも呼ばれる)に基づく銘柄選択への体系的なアプローチがエクイティ市場で機能することは長年、研究・応用されてきたが、フィクスト・インカム市場でもアウトパフォームの代替的な源泉となりうる。こうしたファクターをフィクスト・インカム市場に適用することは、エクイティ市場におけるスタイル投資の成果に関するアウトオブサンプルの有意義な検証である。このことは、ファクターの有効性が真の影響力に起因したものであり、ランダムなデータマイニングの結果ではないことを示唆する。
体系的なスタイルに基づいてフィクスト・インカムに投資することにより、アセットオーナーは、既存のアセットマネージャーとの比較で単純な分散投資以上の効果を見込むことができる。従来からフィクスト・インカムのマネージャーは、主にクレジット(あるいはクレジットと相関が高い資産)にオーバーウェイトすることで、ベンチマークをアウトパフォームしてきた。しかし、多くのアセットオーナーがフィクスト・インカムに投資をする理由は、ポートフォリオの大半を占めるエクイティのリスクを分散化させて、正のリターンを期待するためである。クレジットはエクイティと高い相関を持つ。このため、フィクスト・インカムの平均的なアクティブマネージャーは、クレジットをパッシブにオーバーウェイトしてエクイティとの相関を有意に高めて、結果的に分散効果を低減させてしまっている。フィクスト・インカムの銘柄のオーバーウェイト(あるいはアンダーウェイト)に「スタイル」を体系的な方法で活用することによって、資産クラスとしてのフィクスト・インカムの分散効果を維持しながら、ベンチマークを上回るリターンを生み出すことが期待できる。

金融工学研究センター概要

Research Center for Quantitative Finance

イベント情報

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